◇金髪の男◇

 シエルに接触してきた謎の青年。本人曰く『情報屋』らしい。

 情報屋を名乗るだけあって、情報にはかなり精通しており、『橘』に関する秘匿性の高い情報をシエルにもたらした。

 しかし、性格の方に問題があり、彼と喋り終えた相手は例外なく疲労困憊になっている。つい最近まで自覚がなかったが、これを悪癖だと誰かに指摘されて気付いたらしい。

 シエルの見立てによれば、感情が壊れており、『楽』しか表現できなくなっているらしく。その為か、死を目前にしても笑ったような表情をしている。





◇V年C組◇

 ツワモノ共の溜まり場。史上最高の犯罪者集団予備軍。





◇咲秋学園(さくしゅうがくえん)

 
緑秋町にある私立学園。

 私立の強みか、公立よりも設備が整っており、その例の一つとして、食堂の他にカフェテラスがあったりもする。

 その代わり、入学するにはそれなりに頭が必要になるが、それでも授業料その他の金銭関連はサポートしてくれるため、毎年入学希望者は後を絶たない。

 合格発表をする際には、合格者の名前を点数順に発表するという独自な事もやっている。

 ちなみに、水越 円はドンケツ。つまり合格ギリギリだった。瀬那 社も似たようなモノ。

 制服はボタン無しの灰色と少し珍しいタイプ





◇シエル先生◇

 
洵一たちのクラスの担任。

 みんなはシエル先生が初めから担任だったと言うが、洵一にその記憶は無い。

 その正体は『埋葬機関』と呼ばれる機関に所属する人間で、今回『橘家』を調査するために町へと来たようだ。





◇守城 政彦
(しゅじょう まさひこ)

 瀬那組に所属する二人の組員のうちの一人。

 個性派ぞろいの友人達の中で唯一の普通人。

 制服を着崩すことも無い真面目な性格で、登校は必ず八時ちょうどであることから『タイムマスター守城』の名で知られている。
 しかし、頼み事をされると二つ返事で受けるお人好しで、彼が八時に登校してこない場合、どこかで誰かの手伝いをしているからである。それゆえか、よく周りに振り回される。
 時折、皮肉っぽいことを言うが、本人に悪意は無く、素直なだけと言うのが少し質が悪い。

 暴走しがちなグループ内ではブレーキ的役割を担っている。担わざるを得ない。

 容姿は、長くも短くも無い黒髪に少し幼さの残る顔立ち。ピアスを開けるでもなく、標準を絵に描いたような少年。





◇瀬那組
(せなぐみ)

 瀬那 社が設立した謎の組織。メンバーはリーダーが一人に組員が二人。

 キャッチコピーは『リー即解決! あなたのお悩み解消しちゃう(はあと』と、いかがわしいお店みたいである

 活動目的は、世界を大いに盛り上げるため……ではなく、どちらかと言えば、瀬那 社が同級生の面倒ごとを解決したのがきっかけに、彼の元に多くの人物が頼み事をしてくるようになり、道楽+なし崩し的に設立したというのが本当のところ。

 最初は瀬那 社が一人で請け負っていたが、そこに守城 政彦が加わり、水越 円が面白半分に首を突っ込み、最後に転校してきた橘 洵一が加わって、今の形になった。

 依頼料はその時々で変わるが、基本的に賃金は要求しない。
 よって、そのほとんどは物的なものになるが、可愛い女の子なら電話番号が引き換えになることもある。(主にリーダーたっての希望で)






◇瀬那 社(せな やしろ)

 謎の組織「瀬那組」の創設者兼リーダー。

 両親が関西圏から移住してきているため、生まれも育ちも地元のジモティーだが、関西弁を話している。兄が一人いて、探偵をしている。

 性格はきわめて明るく、なるようになるを座右の銘にするほどの楽天家。かなりの女好きで、付き合うまではがっつくが、付き合いだすと態度は紳士的で、本人が言うには「紳士の嗜み」なるスキルを持っているらしい。

 試合に負けて勝負にも負けるタイプ。

 容姿は癖ッ毛のように外跳ねした髪に、狐のように鋭い瞳(本人談)が特徴。





◇橘 洵一
(たちばな じゅんいち)

 この物語の主人公。一ヶ月前に咲秋学園に転校してきた。瀬那組の組員の一人。

 時折、ズレた発言をするためボケ担当と思われているが、本人は無自覚で、グループ内では守城 政彦と同じく、他の二人に振り回されている。

 実家から勘当されており、島流しみたいな形で、緑秋町の武家屋敷で山神 詩織という使用人と二人暮らしをしている。
 彼女が少し苦手というか、どう接していいか分からない。というのが本当のところ。

 好きな料理は和食なのだが、味ではなく口当たりが好き。
 自分で調理したもの意外では、山神 詩織の料理しか口に出来ないという、変な体質の持ち主。

 日常を乱される事を嫌い。とりわけ非日常に属する人間には敏感に反応する。

 何かの病気なのか左眼が塞がっている。





◇武家屋敷◇

 橘 洵一と山神 詩織が暮らしているお屋敷。

 元々は前々当主、つまり橘 洵一の祖父が引退後に住んでいた家で、祖父亡き後、そのまま放置されていたところに、橘 洵一が島流しされてきた。





◇水越 円(みずこし まどか)

 橘 洵一の友達だが、瀬那組には属しておらず、その理由は「面倒くさいから」と実に明瞭である。

 しかし、いつも瀬那組と一緒にいるので、周囲からは組員と認識されている。

 多少のことは気にしない男前な性格だが、気にしなさ過ぎて自爆する事もしばしば。成績は下位組みの常連+一般教養もない真正のバカである。

 力強い瞳とクリーム色のショートヘアーが特徴的で、髪はもちろん染めている。

 悩みは後輩の女子にモテること。女性特有の胸の起伏が無いことだが、これを指摘されると猛獣化するので注意。






◇山神 詩織(やまがみ しおり)

 橘 洵一と武家屋敷で二人暮らしをしている女の子。

 橘家では使用人として働いていたため、武家屋敷でも主に家事を担当している。

 極めて無口で無表情。武家屋敷の同居人ですら彼女の表情が変わるのを見たことがないという徹底ぶり。
 屋敷では彼女から洵一に話しかける事は稀で、世間話はおろか、基本的には応答のみ。彼女から話しかけるのは仕事上で必要な時(起床の知らせなど)のみである。

 その代わりというか、同居人いわく眼力がすさまじいらしく、その同居人は彼女と目が合うたびに、数秒と持たず冷や汗を流しながら視線を外している。

 橘 洵一の言葉から察するに、和食好きと思われる。

 容姿は軽くウェーブ掛かった髪が肩まで垂れており、顔もオシャレをして町に出れば人目を惹くには十分。






◇緑秋町◇

 この物語の舞台となる町。

 中心街にはデパートから映画館にゲームセンターと娯楽施設があり、夜にはいかがわしいお店まで、意外に華やかである。

 その他には住宅街があり、バブル崩壊後に破棄された工場跡が群れをなしている。